餃子ノ手記

おしゃべりより、活字がお好き

20200109

 

 

高校の、体育館の床が頬に貼りつく

冷たくて気持ちがいい。

舞台の上に雛壇があって上に椅子が並んでいる。

 

床から、つまり下から見た

舞台上の彼は、どこかで見たことがあって、

マイクを握って何やら話してる。

 

本番に控えた、リハーサルという感じか、

彼の後ろの整列した椅子は

パイプの反射を見せる。

 

舞台はネットで覆われている、

緑の、ボールを客席に飛ばさない為によくある

緑のネット

 

私の頭の上らへんに気配があって

靴が見える、足首があって脛が見える、

顔が見えない。

何やら私に話しかけているのか

舞台上の彼に話しかけてるのか

 

私は上を探すのをやめて

緑の床の反射になる、

なにか声がするけど関係がない。

頭頂部、体育館の外から、ザラ板を踏み

石の地面にぶつかる音がする、

 

私は起き上がって、

さらに緑のネットに包囲される体育館から

顔を出し、ザラ板を踏む

 

風が気持ち良くて、

通路の行き止まりをみると、

昔の私か、それとも知らない女の子か

体操着の彼女が1人で、

その体育館の出入り口にある

小さな2段ほどの段差に座って、

ネットの隙間、物凄く晴れ渡っている空を

見ている、

 

どれくらい時間が経ったか、

いや時間は1ミリも経っていないかも。

座っている横に赤白帽子が、パサッと落ちて

私はそれをズボンのゴムの内側に挟み、

上から服を下ろして、隠し持った!

 

私から見ても不格好にお腹が膨らんでいる

それを隠しながら、教室に戻る最中の

クラスメイトの行列に紛れる

 

途中、舞台上の彼がいた気がして、

お腹を手で隠した気がする

 

 

 

 

 

 

 

起床

20200109

ギョウコ